令和4年6月川崎市議会一般質問

1.市立小中学校における保護者等への配布資料のデジタル化について〔教育次長-232、233、234〕
2.幸区総合防災訓練について〔幸区長-235、236〕
3.幸区役所の利便性アンケートについて〔幸区長-236、237〕

Q
9番(加藤孝明) おはようございます。私は、市立小中学校における保護者等への配付資料のデジタル化について、幸区総合防災訓練について、幸区役所の利便性アンケートについて、一問一答で順次伺ってまいります。
 初めに、市立小中学校における保護者等への配付資料のデジタル化について伺います。本市では、かわさきGIGAスクール構想並びにICT化の推進により、教育を取り巻く環境は様々な面で変化をしております。しかしながら、保護者等への配付資料のデジタル化は難航しており、保護者等からは改変を求める声も聞こえております。また、新型コロナウイルス感染防止対策として、学校を欠席した際、近所の友人等に配付資料を届けてもらうことができず、登校時にまとめて受け取るため、情報の遅れ等を懸念する声も聞こえております。先日の我が会派の代表質問への教育次長の御答弁では、欠席連絡システムやメール配信システム等のツールを有効に活用し、保護者との連絡手段についてデジタル化に努めるよう各学校へ通知したとのことでしたが、学校による取組状況には差異が見受けられるため、一層の取組を要望したところでございます。そこで、本市が導入しているミマモルメ及びグーグルグループウエアの活用状況と、学校による取組状況に差異が生じている要因、今後の対策を教育次長に伺います。また、今後導入が検討される新たなツールと目的について伺います。あわせて、欠席時の資料配付における考えを伺います。
A

教育次長(池之上健一) システムの活用状況等についての御質問でございますが、初めに、本市が導入しているメール配信システムにつきましては、小学校では114校中109校、中学校では52校中49校、高等学校では5校全校、特別支援学校では4校全校で活用されており、それ以外の学校では契約期間の関係等の理由により、その他のメール配信システムを利用しております。その活用状況につきましては、自然災害情報、学校に関わる疾病関係情報など児童生徒の安全に関わる緊急情報を原則とし、各学校において、状況に応じて情報配信の内容を決定しているところでございます。また、グーグルワークスペースにつきましては、全ての市立小中学校において配付したGIGA端末を通じてアカウントを発行された児童生徒及び教職員が利用できるものでございまして、搭載された機能のうち、グーグルクラスルームは児童生徒に対する課題の配付等が、グーグルドライブはファイルの保管や共有等が、グーグルフォームは質問フォームの作成やアンケートの集計等が可能でございます。保護者等との間におきましては、グーグルフォームの機能により、個人情報を収集しない形で学校評価アンケートや緊急事態宣言下の出席に関する調査等において活用されておりますが、各学校の状況により差異が生じております。さらに、新たなツールにつきましては、学校と保護者間の連絡の円滑化などに資するため、導入に向けた検討を進めてまいります。次に、欠席時の資料配付等につきましては、グーグルクラスルームの活用が進んでおり、今後さらなる活用に向けて、研修の場や情報共有サイトにおいて事例の共有を図ってまいります。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) メール配信システムにおいては、児童生徒の安全に関わる情報を原則とし、各学校において、状況に応じて情報配信の内容を決定しているとの御答弁で、配信内容は学校により異なるとのことです。また、グーグルフォームにおいても、各学校の状況により差異が生じているとの御答弁でした。一方、学校による取組状況に差異が生じている要因について明確な御答弁がありませんでしたが、各学校や校長による考え方や方向性の違い、教職員ごとの得意、不得意が大きな要因になっていると推測できます。状況に応じた内容決定には納得するところではございますが、得意、不得意等が理由とはならないよう、各学校に対して活用の促進と研修の拡大を行い、各学校における好事例の周知をし、取組を着実に推進するよう要望いたします。次に、署名、押印、返信等が必要となる資料におけるデジタル化の進捗状況について伺います。あわせて、保護者等により提出された資料の管理体制について伺います。
A

教育次長(池之上健一) 資料のデジタル化等についての御質問でございますが、現在、各学校におきまして、CMS化された学校ホームページや欠席連絡システム、メール配信システム等を活用し、資料等のデジタル化が進んでおりますが、紙の書類でのやり取りも残されている状況でございますので、引き続き取組の推進が必要であると認識しているところでございます。また、紙の書類と電子データの管理についてでございますが、保護者から提出された紙の書類につきましては関係規定に基づき適切に管理することとされており、電子データにつきましても紙に準じた扱いが定められております。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) 本市で導入されているメール配信システムは、学校から保護者等への一方向のみのシステムなため、本システムを用いて返信することはできません。デジタル化の進行により利便性の向上はもとより、喫緊の課題となっている教職員の負担軽減、業務の効率化や費用の削減等、多くの効果が期待されます。しかし、紙で提出された書類をデータ入力し、さらに紙の提出書類自体も管理するのでは、紙とシステムの二重管理となり、逆に非効率だと言わざるを得ません。政府では、規制改革、制度見直しの一環として、書面規制、押印原則等の見直し及び電子署名の活用を推進しており、文部科学省は学校が保護者等に求める押印の見直し及び学校保護者間における連絡手段のデジタル化の推進について、通知しました。本市においても、市民の利便性向上や負担軽減を図るとともに、行政手続等のオンライン化を推進するため川崎市申請書等の押印見直しに関する方針を策定し、教育現場においても、教育の情報化推進計画に基づき取り組んでいると思いますが、保護者等の電子署名活用への見解について伺います。
A

教育次長(池之上健一) 電子署名の活用についての御質問でございますが、電子署名につきましては、国が令和2年度に発出した通知におきまして、押印の省略に伴い、契約など文書の成立の真正を証明する手段の一つとして紹介されたものでございまして、今後、文書の成立の真正の確保を要する手続のデジタル化に際しましては、電子署名の活用も含め適切に対応してまいります。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) ディスプレーをお願いします。こちらは、文部科学省による学校、保護者間の連絡手段をデジタル化する具体のイメージでございますが、本市の場合は青い四角の2番、学校から家庭への一方向のみのメール配信システム等が導入されている場合に該当いたします。メール配信システムを利用して、回答フォームのURLやQRコードを直接保護者等に配信することにより、お便りの紛失や出し忘れを防ぎ、より迅速な情報提供、保護者側からの回答、集約が可能となります。こちらは、GIGA端末に含まれる機能等を利用する場合も紹介されております。ディスプレー、結構です。
 総務省による令和3年の通信利用動向調査によるスマートフォンの世帯保有率は8割を超え、大方の家庭でインターネットが利用されており、さらに本市ではインターネット環境のない家庭に、GIGA端末の家庭学習用にモバイルWi-Fiルーターの貸出しも行っております。改めて、市立小中学校における保護者等への配付資料のデジタル化の今後の展望について伺います。
A

教育次長(池之上健一) 今後のデジタル化の展望についての御質問でございますが、市立学校における保護者等との連絡手段につきましては、デジタル化を進めることで、保護者等との迅速な情報共有を実現するとともに、学校、保護者双方の負担軽減にも大きく寄与するものと考えておりますので、情報セキュリティの確保やデジタル化に伴い配慮を要する家庭への対応など、想定される課題に的確に対応しながら、学校における連絡文書等のデジタル化に向けた取組を推進してまいります。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) かわさきGIGAスクール構想も2年目に入りましたが、教職員の先生方におかれましては、まだまだ不慣れなこともあり大変御苦労されていることと思います。サポートしていただきながら、さらなるICT化に努めていただきますよう要望し、次の質問に移ります。
 次に、幸区総合防災訓練について伺います。30年以内の発生確率が70%程度と予測されている首都直下地震では、マグニチュード7程度の規模が想定されており、本市においても甚大な人的、経済的な被害が想定されております。また、近年の自然災害は激甚化、さらには頻発化しており、平時からの備えが肝要です。そこで、幸区では、今月5日に約3年ぶりとなる総合防災訓練が実施されましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により実施できなかったこの間、地域防災力の低下が懸念されておりました。久方ぶりの実施となった今回の防災訓練の目的について幸区長に伺います。また、新たな気づき等があれば伺います。あわせて、防災訓練が実施できていなかった間の取組について伺います。当日は、先立って多摩川美化活動が開始され、その後、防災訓練会場へと移動された方たちも見受けられましたが、日時の設定に至った経緯と両行事への影響がなかったのか伺います。
A

幸区長(赤坂慎一) 幸区総合防災訓練についての御質問でございますが、幸区総合防災訓練につきましては、地域の自立型防災力の向上の推進に向け、コロナ禍による防災意識や災害対応等の変化を踏まえつつ、地域、防災関係機関、職員等の防災意識の高揚と災害対応力の向上を図ることを目的に実施したところでございます。その主な成果といたしましては、地域の自主防災組織による要援護者安否確認や避難所開設図上訓練、区役所職員による防災情報システムを使用した訓練によって、地域と実際に避難所運営に従事する区職員との顔の見える関係の構築や、おのおのが対応する業務の共通認識など、市民と行政の相互理解が深められたものと考えております。また、新たな気づきといたしましては、実際の市内の主要駅の3D画像を使用した風水害版のVR体験型訓練に興味を持たれた方が多く見受けられたことから、今後、こうした訓練の取組を区民祭などの様々なイベントに取り入れていくことも有効ではないかと感じたところでございます。また、総合防災訓練ができなかった間の取組についてでございますが、地域の防災力を低下させぬよう、自主防災組織ごとの訓練などコロナ禍においてもできる範囲の取組を行ってきたところでございます。次に、日時の設定経緯と美化活動への影響についてでございますが、日時の設定につきましては、幸区制50周年記念事業などの行事日程等を勘案して決定したものでございます。その影響につきましては、美化活動と総合防災訓練の開始時間をずらすことにより、半日で両方の参加が可能となった一方で、新たな参加者に依頼した地域も見受けられましたので、今後につきましては、地元町内会、自主防災組織など関係団体の御意見を伺いながら設定してまいりたいと考えております。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) 実施すること自体が目的となってはなりません。ぜひとも多くの方に御参加をいただき、実り多き行事となるよう引き続きの御対応をお願いいたします。地域コミュニティの減少や高齢化の進行など、自立的な防災力向上への課題は山積しており、人口増加の続く本市においては、新たな住民への地域の特色を理解した防災意識の向上も課題と考えますが、取組を伺います。あわせて、自主防災組織の活性化に向けた取組について伺います。
A

幸区長(赤坂慎一) 新たな住民への防災意識の向上等についての御質問でございますが、新たな住民に対しては、区の転入手続時に町内会・自治会への加入パンフレットをお渡しし、地域における防災活動を支える町内会・自治会への加入の必要性をお伝えすることで防災意識の向上に努めているところでございまして、まずは、加入促進により防災訓練への参加者を増やし、自主防災組織の活性化につなげてまいりたいと考えております。また、新たに建設されたマンションや大型集合住宅等につきましても自主防災組織を結成していただくよう働きかけを行っているところでございまして、直近では、この6月に新たな自主防災組織が1団体立ち上がったところでございます。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) 幸区は隣接する川崎区と横浜市鶴見区との間で包括連携協定を結び、災害発生時における連携強化を図っておりますが、取組状況と今後の展望について伺います。あわせて、区独自の今年度の計画と今後の展望について伺います。
A

幸区長(赤坂慎一) 包括連携協定についての御質問でございますが、取組状況といたしましては、避難所の相互利用や情報の共有化に向けて定期的に3区長による合同会議を開催し、災害発生時における連携を図っているところでございます。また、6月5日の幸区総合防災訓練においては、鶴見区の防災啓発ブースを出展していただくなど相互交流を図ったところでございます。今後につきましては、コロナ禍で開催できなかった3区長による対面での合同会議を7月に予定しており、地域の安心・安全と活性化につなげられるよう意見交換をする予定でございます。また、区独自の計画と今後の展望についてでございますが、幸区においては、今年度、町内会単位の地区防災計画を1地区で策定する予定でございますので、その結果を3区で共有するなど、引き続き取組を進めてまいります。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) 引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、幸区役所の利便性アンケートについて伺います。幸区では、区役所のアクセスに関する利便性について、1月24日から3月末までの約2か月間、アンケートを実施いたしましたが、目的と集計状況について幸区長に伺います。
A

幸区長(赤坂慎一) 区役所来庁者を対象とした交通利便性アンケートについての御質問でございますが、交通利便性アンケートにつきましては、地域の高齢化やコロナ禍における交通事情の変化などを踏まえ、区役所へのアクセスに係る地域の実態を把握するため、お住まいの地域、年代などの項目と併せて、交通手段や来庁頻度を踏まえた利便性の意見を伺ったものであり、区役所の窓口にお越しになられている方に対し無作為に実施したものでございます。また、アンケートは計2,536通の回答をいただいており、現在、今夏をめどに取りまとめ作業を行っているところでございます。以上でございます。

Q
9番(加藤孝明) 幸区役所への利便性については、年齢や利用する交通手段によるものの、主にバスを利用する古市場地区や小向地区の方から不便との声が聞こえております。また、日吉地区には、日吉出張所での受付業務や利便性を理由に区役所を利用される方も多くいらっしゃいます。アンケートが実施されるだけでは無益となってしまいますが、今後、集計結果をどのように分析し、区政に反映していくのか、幸区長に伺います。
A

幸区長(赤坂慎一) アンケート結果の活用についての御質問でございますが、今後、アンケート結果につきましては、地域、年代、来庁頻度などの区役所利用者の現状を分析し、区役所アクセスに関する課題を把握し、その解決に向け関係部局と共有するとともに、区役所サービスの向上について検討してまいりたいと存じます。以上でございます。

9番(加藤孝明) ぜひとも区民の声を無駄にすることなく、交通局を含む関係部局と連携していただき、区役所の利便性向上に努めていただきますようお願いし、質問を終わります。